はじめに
エージェントと長い作業をしていると、「いまの作業とは関係ないけど確認したい」が出てきます。本線(いま進めているメインのエージェント会話)にそのまま書くと、文脈が混ざってしまいます。
Cursor 3.11(2026年7月10日)で入った Side Chats と会話検索は、その散らかり方への答えになりそうです。この記事では changelog を読んだうえでの整理と、個人開発での判断(学ぶ/様子見)を書きます。
何が変わったか(3.11)
公式 changelog では、個人の作業感に効きそうなのは主に二点です。Side Chats(本線の横で別会話を開ける)と、Conversation search(過去のエージェント会話を検索する)。プロジェクト/リポジトリのピッカー刷新や Cloud Agent hooks もありますが、ここでは前二者に絞ります。
Side Chats — 本線を止めずに別質問する
Side Chat は、本線のエージェント会話を中断せずに、質問・調査・別案の検討を別スレッドで進めるための機能です。起動は /side、/btw、またはチャットパネル上部のプラスです。本線の文脈は引き継げますが、会話自体は独立して続き、あとから本線に @ で戻せると公式は説明しています。
自分の使い方イメージはこうです。本線で実装タスクを走らせたまま、Side Chat で「この API 名、本当にこのプロジェクトで使っている?」「代替案を3つだけ」といった確認を切り出す。本線に混ぜると、エージェントが前の文脈を引きずって答えがブレやすい場面を避けたいときに使います。
仕様駆動で本線が長いほど、「関係ない確認」を本線に混ぜたくない場面は増えます。ドキュメントを SSOT(正本)にしていても、途中の議論は会話側に残りがちなので、Side Chat は正本化と対立しません。
会話検索 — 過去に決めた話を掘り返す
Agents Window からコマンドパレット(Cmd+K)で、過去のエージェント会話を全文検索できます。ローカル索引で数千件規模を想定した、と changelog にあります。名前や PR 番号以外の手がかりでも辿れるのが実務向けの要点です。いま開いている会話内は Cmd+F でジャンプできます。
チャットが増えるほど、「あの決定、どのスレッドだっけ」というケースが増えます。正本に書く前の手がかり探しとして使えそうです。ただし、決まったことは最終的にドキュメント(SSOT)へ移す運用のほうが、あとから読み返しやすい——というのが私の前提です。
使う場面と、後回しでよい場面
使う場面は三つです。本線が長く、脇道の質問で文脈を壊したくないとき。仕様や実装方針の確認を、本線の作業エージェントから切り離したいとき。過去チャットから一度決めた言い回しやエラー対処を探したいとき。
後回しでよいのは、本線そのものを複数エージェントで並列実装したいだけの用途です。Side Chat の主目的はそこではありません。Cloud hooks やピッカー刷新まで一気に運用に載せる必要があるチーム向けの話も、個人開発の初動では後回しでよいでしょう。
判断: Side Chats と会話検索は「学ぶ」。本線を汚さない UI なので、仕様駆動や長いエージェント作業をしているなら触る価値があります。Cloud Agent hooks は必要になってからでよいでしょう。
一次情報・関連
- 公式: Side Chats and Conversation Search(Cursor 3.11 changelog)
- 仕様駆動で分かったこと — 判断の所在・正本ドキュメント
- KiroとCursorを活用した仕様駆動開発 — 進め方・ツール
- 学習ハブ(/learn/) — AI駆動シリーズの読む順
※ 執筆支援に AI を使用しています。事実確認・構成の最終判断は著者が行っています。機能の挙動は利用環境とバージョンにより異なる場合があります。
