F1、2011 プレテスト

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さて、時間が経つのは早いもので、F1も間もなく2011年シーズンを迎えようとしている。
開幕戦の舞台となるバーレンでは、反政府デモが激化しており不安定な情勢が続く中、開幕戦はキャンセルと言う決定が先日なされた。開幕はオーストラリアGPとなる。
また、バーレンGPはカレンダーの中のどこかに取り込まれる見込みだが現時点では未定。

そんな混乱もありながらの今シーズンだが、F1各チームは、シーズン前のプレテストに全力投球の様相。今年も昨年からレギュレーションが色々変わる。
Fダクト、ダブルディフューザーの禁止。可変リアウィングの採用。KERSの復活。そしてタイヤがブリヂストンからピレリへと変わる。
色々な変更要素をどのようにソリューションするのか、シーズン中のテストは禁止されている為、このシーズン前のテスト期間がシーズンを占う上でも大きな意味を持つ。

テストは、2/1のリカルドトルモサーキットから始まり、ヘレス、カタロニアとスペインのサーキットでのテストを経て、最後のバーレン・サクヒールのテストと計15日行われる。
最も、バーレンのテストは情勢不安につき、開幕戦キャンセルと共に、カタロニアに代替えとなった。
そして、既にテストは11日消化しており、「現時点」の各チームの力関係が何となーく見えてきた所ではないだろうか。
とは言え、テストは各チームが独自のプログラムで色々な事をやっており、テストでの印象通りには事が運ばないのは、毎年の事ではあるけれども。

実に順調な仕上がり、レッドブル
この一連のテストの中で最も順調で磐石さを感じさせたのは、昨シーズンの覇者、レッドブルだ。
新車RB7は、作シーズンのRB6の正常進化型と感じさせる作り。今シーズンのレギュレーションに合わせた部分も見受けられるし、Fダクト禁止により、リアウィングと直結するシャークフィンも禁止となったが、こだわりがあるようで、リアウィングにはかかってはないもののシャークフィン的な形状を残している。
リアエンドもエイドリアン・ニューエイらしい色々なソリューションが隠されてそうだ。見た目にも美しく仕上がっている。
昨年も明らかな優位性を誇っていた車。このテスト期間もタイム出しを狙ったような動きはなく実に淡々と順調にテストをこなしている。しかも驚くべきは実にペースが安定している事。今年からタイヤがピレリにスイッチして、ブリヂストンより摩耗がかなり早いと言われている。それでも実に安定した走りをロングランでも見せている。

レッドブルがテスト時のオンボード映像を公開しているが、それを見ても誠にスムース。昨シーズンに続き今シーズンの本命と捉えることが出来そうだ。
(下がその動画。可変リアウィングの動きがなかなか面白い。こんなに角度変わるんだって感じだ)



そこそこ順調なフェラーリと、見えないマクラーレン
次に順調でまた速さも安定してありそうなのが、フェラーリ。
フェラーリの新車も昨年型の正常進化型と言えそうなパッケージでうまくまとまってる感じだ。こちらはシャークフィンはなくなり、数年前のタイプのエンジンカウル。
テストでは時折、トップタイムも出しながら安定した走行でマイレージを稼いでいる。当面のライバルはレッドブルだと思うが、リソースは十分にある為、どのように開発を進め競争力を上げていくかが焦点になりそう。

一方で最もアグレッシブな新車を披露したのがマクラーレン。実に特徴的なU字型のサイドポンツーンを始め、挑戦的なデザインを持ってきた。
しかしテストでは順調とは言えるレベルまで行っておらず、信頼性等の問題もあり思うように走り込めていないのが実情。
車の実力はまだ見えないと言う所だ。ただ、奇をてらったような印象のある車は過去の実績上うまくいかないケースの方が多かったりする。
この特徴的な形状も、もちろん風洞やシミュレーションなどで良好な結果が得られたので採用されている筈で、また、昨年までの状況を打破する為にアグレッシブな方向に倒す決断をした所もありそうだが、倒しすぎているような気も少々している。
シーズン半ばでデザイン変更とならなければいいけど。

厳しそうなメルセデス、意外とダークホースかも知れないルノー
復帰イヤーだった昨シーズンは散々と言わざるをえない結果となった、7回のワールドチャンピオン、M.シューマッハだが、その戦績から昨シーズンで引退ではとの声が多かった周囲をよそに、3年目にはチャンピオンを勝ち取ると、改めて自身の決意と熱い思いをメディアに語り十分なモチベーションをアピールしているが、肝心の車の出来はどうだろう。
ここまでのテストの状況を見ると、少々厳しそうだ。
シューマッハがベストタイムを記録したテスト日もあったが、スーパーソフトでの一発タイムだったようであまり意味はなかったようだ。ロングランでのペースは厳しい。メルセデスのノルベルト・ハウグも現時点で力不足を認めている。今シーズンも厳しい展開となるかも知れない。

一方で大きな飛躍の可能性を秘めていそうなのが、ルノー改め、ロータス・ルノー。
エンジンの排気エアーを積極的にダウンフォース獲得に活かそうと言う昨年のトレンド、ブロウンディフューザーの考えを更に推し進めた、前方排気システムと言う仕組みを実装。これがうまく機能すれば、大きく飛躍する可能性もある。
しかし、チームを引っ張ているクピサがラリーレースに出場中に大事故を起こし、重症を負い今シーズンの出場はかなり微妙な状況となってしまった。最悪の事態は避けられたもののダメージは大きく、クピサ本人はシーズン中の復帰を決意しているものの、どうなるか。
クピサの代わりのドライバーはBMW時代のチームメイト、ハイドフェルドが務めることに決定。ハイドフェルドは速さはあるし、マシン開発能力もあると思うが、個性に欠けてるきらいがあるのが少々難点な気もする。チームを引っ張っていけるのか。クピサの欠場は大きそうだ。


あれこれ想像しても結局、蓋を開いてみないと何が起きるか分からないのがF1。
バーレンがキャンセルとなり、開幕が3/27のオーストラリアGPまで延びてしまったが、間もなくシーズン・インだ。今年はどんなドラマが展開されるだろう。



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